NOTES 何もない僕

ここでは、暗闇の中にある一点の小さな光を見つけようとする姿を表現していく。

眠れぬ夜との出会い

※詩の内容はフィクションであり、作者との直接な関係はありません。

 

夜になると幾つもの錠剤を紙袋から取り出す。

ホワイト、ピンク、ブルーなど、色とりどりの薬を

憑りつかれたように体の中へ流し込む。

すると、高ぶっていた神経が魔法のように静まる。

気分がふわっとして、

自分の見るもの全てがぼやけてしまう。

そして世の中とは別の夢の世界へと放り込まれる。

いつからこんな夜を過ごすようになったのだろう。

眠れぬ夜と出会って、医者を紹介された。

医者は向き合ってくれず、

常にパソコンのカルテを見ている。

所詮、医者は薬をくれるだけ。

この世に自分を見てくれる人なんていない。

液晶越しの自分しか見てくれない。

文字だけで表現した、一部の自分だけ。

そして使い捨てられるように裏切られる。

まるで酒を変えるように。

こんなにも人がいるのに、

こんなにも生きるために

幾つもの光が並んでいるのに、

その一つでさえつかむことが難しい。

その絶望と希望の狭間で、

まだどちらとも決められずにいる心の余裕の無さ。

それを告白すると、

人々は慰めてくるけど、

心の傷の真実など知る者などいない。

もしこの薬で世の中と絶縁できるのなら、

この薬は自分にとって救世主かもしれない。

生存競争から逃れるための。

つまり、色々なことを考えてしまう。

だから、薬で強制シャットダウンする。

強制シャットダウンしているのに

今までの記憶が消えずに残ったままだ。

いっそのこと消えてしまえばいいのに。

眠れぬ夜とは明日も出会う。

まるで祈るように頭を抱え、

明日を必死で否定し続けている。

その姿はどこかで希望の光を

待ち構えているように思える。

そのために明日を迎え入れなければならない。

しかし、怖くて怖くてたまらない。

それでも、ベッドに食らいつくようにして眠る。

もしかしたら何か変わるかもしれない、と。

絶望の中で光を見つけたい…。